【さらば、ケンタッキー&ミスド】地元のファストフード店が消えていく
家族のテレワークとオンライン授業で自由にパソコンを使わせてもらえない今日この頃。気が付けば、また1ヶ月以上も更新を怠っておりました。
さて、本日はマダムの住処周辺のお話を少し。
東京都郊外の街に住むようになって、かれこれ四半世紀になるワタシ。
最寄り駅の周辺は昔からの商店が強く、書店も文房具屋もケーキ屋も、いまだ昭和のスタイルを保ちながら、不動の存在として地元民に愛されているような場所です。
そのせいか新参のお店が商売を長く続けるのは難しいようで、これまでも数々の飲食店や雑貨店が現れては消え・・・を繰り返してきました。
とはいえ姿を消す店の多くは、一時的なブームに乗ったもの。
油そばに米粉パン、最近ではタピオカといった感じで、もう開店当初から「いずれ流行りが過ぎればサヨナラ、続けば当たり」というドライさを漂わせています。
だから閉店しても「次は何が来るんだろうね?」ぐらいの感覚でした。
しかし昨年あたりから、ちょっと様子が違うんです。
ミスドに茶月にケンタッキー・・・
30年以上この地に根差して頑張ってきた有名チェーンの店舗が、次々と閉店することに。
マダムのアンテナが低いからなんでしょうけど、いずれのお店とも突然のお別れになってしまいました。
「今日はずいぶん人だかりができているな」
と思ったら最終営業日だった茶月。
コラボ商品を買おうと3ヶ月ぶりに行ってみたら、
全然知らない居酒屋になっていたミスド。
そしてクリスマス前に行った時は何の変わりもなく営業していたのに、突然張り出された
「1月末日をもって閉店します」というケンタッキーのお知らせ。
いずれも閉店してだいぶ日が経つのに、なぜが今でも果てしない喪失感を味わっています。
ええ、頭ではわかっているんですよ。
どれも全国チェーンなんですから、隣駅まで行けば同じ商品が簡単に手に入る。
味も値段も一緒。なのに、それでは物足りないんです。
「あの店舗」じゃなきゃいけないと思う自分がいる。
不思議ですねえ。
きっと独身→新婚→若ママ→ベテラン母・・・
という激動の半生を、この街のファストフード店と一緒に過ごしてきたからなんでしょうけど。
ケンタッキーとビールで晩御飯だったOL時代ー
残業で夕飯の準備が間に合わず、仕方なく茶月の握り寿司を買って帰ったら上機嫌になった若かりし日のダンナー
ベビーカーで入れるレストランがなかった時代に気軽に外食させてくれたミスドの広い店舗ー
お絵描き教室の帰りに買ったリラックマのコラボドーナツたちー
「今日はお弁当要らないからケンタ用のお金ちょうだい」と言い放ったJK時代のわが娘ー
速さと安さが売りのファストフードだけど、それぞれのお店に、それぞれの時代の思い出が詰まっていました。
正直、味とかお店の格とかどうだっていいんです。
”あの時の私”に会える場所が、そこに存在してくれさえすれば。
そう思うからこそ、「あの空間がもうない」と考えるだけでとてつもなく淋しい。
そんな大事なお店だったのに、私は安売りの時ばかり狙って行ってしまった。
近くのコンビニでチキンを売り出したら「これでいいか」と便利さに靡いてしまった。
後悔しても仕方ないし、自分一人が頑張って通いつめたところで閉店は免れなかっただろうけれど。
今更ながら気づきましたね。
大事なものは、大事にしないとあっけなく無くなってしまうということに。
外食をしない自粛中のせいか、珍しくそんな感傷に浸ってしまったマダムです。