【食わず嫌い克服大作戦(その2)】若手イケメン俳優
食わず嫌いは、食べ物だけに限ったことではありません。
本日は食べ物とは別の話題で。
中学生の頃から、小難しい昔の映画やロマンスグレーのおじさま俳優に夢中だったマダム。
普通の女子高校生はみんなトム・クルーズに興味津々だった時代に、森雅之やらP・オトゥールやらに熱を上げる拗らせようでした。
全盛期のトレンディドラマには目もくれず、分かりもしないのに「ベルリン天使の詩」の試写会に行っては寝落ち、なんてことを繰り返していた10代の日々。もうほんとに青春時代の無駄遣いだわ。
こうして長年単館シアターや名画座を渡り歩き、
「40過ぎてはじめて男」
「漫画原作って何それ、ジブリ?」
などと嘯いてた私がですよ、50歳を目前にして、ついに若手俳優と娯楽作品の魅力に開眼してしまったのでございます。
その事実に気付くきっかけになったのが、この自粛期間中に加入したamazon prime。あり余る時間を消費するために、”おすすめ”で出てくる映画やドラマをイッキ見したところ・・・
ここ10年ほどの邦画の面白さに驚愕。それも漫画原作の青春群像劇のレベルが高い高い。
何がってまず、脚本がすごい。
本物の政治抗争が絡んでいる名門男子校の生徒会選挙という分かりにくい話を、ここまで小気味よく面白くまとめられるとは!恐れ入りました。
そして出演者全員の”本気”にブラボー★
キャストの誰もが、この作品を成功させたいと願っていると分かるほどの全力投球です。
なのに「俺が、俺が」のアピール合戦に陥ることなく、全体の調和はバッチリ。ブレイクを狙う若手ばかりの作品で、悪目立ちする人が一人もいないってすごいこと。みんなが限られた出番とセリフの中で、与えられた役を的確に演じきっています。その証拠に、何十人もいるキャストのキャラがきっちり立っているではないか。
まあ監督の力量が素晴らしいのは言わずもがな、何だろう、この演者たちのクレバーな情熱。作品における自分の位置付けを冷静に理解しつつ、少年漫画独特のおバカなテイストを失わないとは。
平成生まれのイケメン俳優恐るべし。
そしてそのラスボスとも言えるのが主演の菅田将暉。
帝一というこの役、確かにクセはあるものの、若手ナンバーワンの呼び声高い彼なら、もっと力を抜いて軽くこなすことだってできるだろうに、これでもかというほどの大熱演。
およそ少年漫画のヒーロー像からはほど遠い、少々卑劣な主人公を泥臭く演じています。
主席の座を守るために必死で勉強したり、勝つために計算高く選挙活動してみたり。なり振り構わないその姿は、演技を通り越してまさに菅田くんそのもの。この人はきっと天才肌なのに、どんな作品のどんな役でも嘗めてかからないのでしょう。帝一と同じ必死さで役を作り込んでいるからこそ、滑稽であればあるほど胸を打たれる。それに引っ張られて共演者もマックスの力を出さざるを得ないのだろうし。
また、主演だからとイイトコ全部持っていかずに、ヒーローな部分は潔く竹内涼真に預けてしまってるのも天晴れな心意気ですね(笑)。
そりゃ、この人の出る作品は面白いはずだわ。この若さで座長としても一流なのね。「キングダム」の山崎賢人にも同じ匂いを感じます。
ヨシ決めた。
応援しましょう、若手のツートップ。
今さらだけど、ボソボソ喋るマイナー作品ばかり見て〈違いが分かるオンナ〉の振りをするのはもう辞めよう。
若い人が頑張る姿は理屈抜きで美しい。そう、面白いものは面白いのだ。
実写上等、イケメン俳優万歳!
もう一人語りたいイケメンさんがいるので、続きはその3で。